保育士の就職・転職の面接対策!不採用にならないためのポイント

保育士に関わらず転職の面接を受ける機会は、人生の中でもそれほど多くはありません。

なかなか慣れるものではありませんよね。

ただ、「どんなことを聞かれるのか」「どう答えたらいいのか」、あらかじめ頭の中でシミュレーションできていれば、本番での緊張は少なくすみますよね?

面接の質問にはいくつかの定型がありますから、それは可能です。

この記事では、保育士の方や保育士になりたい方向けに、ブランクがあったり、転職が多かったり、未経験の方向けの面接での質問の答え方をまとめてみました。

いずれも保育士の方には多くあるパターンだと思います。

自分の中で自信がなかったり、引け目を感じていたりする必要はありません。

デメリットと思えることをメリットに変えて、面接に臨んでください。

面接の基本をまずは知る

基本的なところは、一般の企業の就職面接と同じです。

面接は、面接官があなたのことを知り、仕事を一緒にする仲間として、気持ち良く働けるヒトかどうかを見極める場です。

メラビアンの法則というのがあります。

まずは、基本のキの時から、万全の準備で進めましょう。

人は見た目が9割

保育士といえば、どのようなイメージがあるでしょうか?

明るく笑顔が素敵で、元気に子どもと遊んでいる、そのような姿が思い浮かびませんか?

まさに、求められている人材がそれにあたります。

笑顔がなく暗い人に子どもを預けたいと思いませんよね。

例え経験豊富で保育技術がある人であっても、終始笑顔がなく、元気がない人は不採用となってしまうかもしれません。

  • 笑顔を忘れないこと
  • 大きな声ではっきりとした喋ること

この二つを心がけるだけでも随分印象が変わってきます。

口角を上げることを意識すると笑顔になります。

また、ビジネスマナーはもちろん見られています。

マナーのない先生なんて困りますよね。

挨拶、敬語など、基本的なことはおさえておきましょう。

人の印象は第一印象でたいはんが決まります。

緊張をするかと思いますが、最初から笑顔と元気に注意して、相手に好印象を与えましょう。

また、人が他人を受け入れるときには4つの壁があると言われています。

  • 第一の壁・・・外見、服装、表情 
  • 第二の壁・・・態度、姿勢、しぐさ
  • 第三の壁・・・話し方、声の大きさ、抑揚
  • 第四の壁・・・話の内容 

ある雑誌で、トップセールスマンの「売上を伸ばすポイント」が掲載されていました。

  • お客様が指定の時間に店舗に来られた時=最初の5秒でセールスは決まる。
  • 駐車場に出向き、車庫入れ誘導を行う時の最高の「笑顔」この「笑顔」で決まる。

就活の面接も同様です。

保育士の面接までにしておきたいこと

面接までにすべきことをしているかどうかで、受け答えは大きく変わってきます。

面接までにしておきたい4つのことを以下にまとめました。

まずは以下の項目はきちんと押さえて、面接当日を迎えてください。

ホームページの確認

特に「保育理念」「保育方針」などはきちんと頭に入れておきましょう。

園の考え方を表す大事な項目ですから、面接の中でも話題になってくることが多いです。

自分なりに解釈して、自分の経験に照らし合わせるなどして、その園の「保育理念」「保育方針」について語れるとポイントは高くなります。

その他、園でのイベントの様子や、年間行事、ブログなどがあればできる限り目を通しておいてください。

履歴書や職務経歴書の記入

当日必要であれば、前日に焦って書くなどはせずに、余裕をもって記入してください。

封筒やクリアファイルに必ず入れましょう。

求人票の印刷

意外とされない方が多いですが、スマホの時代にあっても、求人票はプリントアウトすることをおすすめします。

面接の際に、条件面などの確認をすることがあると思います。

その際に求人票を持っていると、スムーズに話すことができます。

面接の練習を実際に声に出してやってみる。

これから紹介する、質問の答え方を参考に、自分なりの答え方をつくってください。

それができたら、必ず声に出して練習しましょう。書いただけでは不十分です。

口頭で答える練習をしておくと、面接時に緊張することが少なく、きちんと話せます。

演劇に必ずリハーサルがあるのも、本番で緊張して言葉が出なくなることを避けるためです。

もし、協力してもらえる家族や友人がいたら、ぜひ「面接官」役をやってもらい、十分に練習してから本番に臨むことをおすすめします。

面接において面接官が確認したいポイントは3つ

まず、保育士として働くことへの「情熱」を確認します。

「情熱」とは、「なぜその仕事をやりたいのか?」のこころざしの確認であり、仕事に対する情熱を伝えることです。

情熱がなければ、これからも遭遇するであろう多くの壁を乗り越えて、保育士として活躍することはむずかしくなります。

次は、あなたが一緒に働く仲間としてふさわしいかの「相性」についての確認ですね。

「相性」とは、同じ志を持つ仲間として、同じ方向性をもっているかどうか。

そして、最後の「能力」の確認とは、面接者があなたを採用しなければいけない理由、そして、あなたを採用するメリットに繋がるものです。

保育園であれば、保育園の理念と自分の理念が合っている事をアピールする。

保育園の考えと自分の考えが合っていることをアピールする。

採用者に対して、あなたを採用することのメリットもアピールできれば素晴らしいでしょう。

即戦力になるかどうか

新卒の場合はこれから伸び率を期待する場合がありますが、転職の場合だと求められているのは即戦力です。

前職での経験やスキルを問われたら自信をもってこたえられるようしておきましょう。

前の職場でやりがいを感じていたことや苦労したことなどです。

前職について問われた際に注意することは、志望している園を否定するような表現にならないそとでさ。

例えば、早期教育には反対で、子どもをのびのびと育てることを保育目標でかかげている園に対して、前職の英語指導にやりがいを感じていた、とこたえると、保育方針が合わないと思われてしまいます。

保育士の面接で絶対聞かれる4つの質問と応答の仕方

保育士の転職面接には、必ず聞かれる質問があります。

以下の4つについては、事前に用意して、本番ではきちんと答えられるようにしてください。

自己紹介

まずは、名前を名乗ってから、今までの職務経歴(新卒の方は主に学歴)を簡潔に話しましょう。

相手の目をみて、あなたが今まで取り組んできたことに自信を持って、それをすべて開示するつもりで、ゆったりと構えるのが大切です。

少し余裕があるならエピソードなどを交えて、自分の性格や、人となりがわかるように話すのも相手に印象づける方法です。

自己紹介は30秒~1分程度が目安。

志望動機

採用する側にとっては、どうして当園を選んだのか、最も気になるポイントの一つです。

応募の理由として、経済的なことを話すのは感心しません。

  • 保育理念などへの共感
  • 前職での経験を貴園でどう活かしたいか
  • 貴園でどう活躍したいのか

以上、3つの項目を織り交ぜながら、志望動機を組み立てて、「貴園でなくてはならない理由」を伝えるようにしましょう。

事前に、園のホームページなどをよく読んでおかないと、きちんとした回答になりません。

保育士を目指した理由

保育士を目指したからには、子どもが好きなことは間違いありません。

それだけでなく、「学生時代などに、実習先の子どもとの触れ合いで保育士の魅力に気づいた」などの具体的な経験があれば、それを語るのもいいかもしれません。

抽象的でなく、具体的なエピソードを絡めて話した方が面接官に強く印象付けることができます。

前職を辞めた理由

答え方次第では、採用側は「同じ理由でまた辞めてしまうのではないか」と感じます。

辞めた理由をストレートに伝えるのでなく、 前向きな表現にするのがコツです。

全てに言えることですが、転職においては、「ネガティブな内容はポジティブに言い換える」が鉄則です。

以下に、前職を辞めた理由の代表的なものをまとめましたので、答え方の参考にしてください。

人間関係で辞めた場合の答え方

ある調査によると、転職理由のトップは「人間関係」です。

もちろん保育士でもとても多い理由の一つです。

ただ、コミュニケーション力が重視される保育士においては、ただ単に「人間関係が嫌で退職しました」はNGです。

例えば

  • お局のような先輩がいた
  • 園長のパワハラがきつかった

という事実があったとしても、個人攻撃はせずに、たとえば以下のようにポジティブに言い換えてください。

人間関係で前職を辞めた場合の解答例

「私は周囲の人との協力関係を築きながら、保育士業務を進めていきたいと考えています。前職の職場でもそうなるように最大限努力してきましたが、その風土は、私の力不足で変えられませんでした。貴園では、保育士同士のチームワークを重視して、新人保育士にも活躍のチャンスを与えると知り、志望いたしました」

保育方針の違いで辞めた場合の答え方

保育の世界では、あなたも経験があるかと思いますが、それぞれの保育士が違った「保育観」を持っています。

自分の保育観をきちんと持っていることは、保育士としてはプラスであると思います。

ただ、自身の保育観が園の保育方針に合わなかったとストレートに伝えると、悪印象につながりますから、注意が必要です。

「保育方針に合わせていけるよう最大限の努力をしてきたが、私自身の理想としている保育観との溝がなかなか埋まらなかった」

など、ここでもポジティブに言い換えるようにしてください。

体力面で辞めた場合の答え方

保育士は体力的にハードな仕事です。

一人が病欠になってしまうと、その分のカバーは誰かがしなくてはいけません。

採用側にとって、「体力面に不安のある人」を採用するのは勇気がいるところです。

もし、前職の退職理由が「体力面」だった場合、現在は通院の結果、問題がないということを必ず付け加えてください。

ブランクある場合で面接する際のポイント

経験のある保育士を採用したい採用側にとっては、ブランクがあるからといって、マイナスに捉えることはあまりありません。

ただ、面接の際に、前職から離職期間が長い方は、その理由について必ず聞かれると思います。

ただし、これは採用側としてはあなたの弱点をつきたいと考えているからでないので安心してください。

家庭や健康面で何か問題がないか確認したいということなのです。

なので、家庭の事情や健康上の理由などがある場合は、そのままでも答えやすいかと思います。

そうした理由がない場合、マイナスに捉えられないような答え方を考えておきましょう。

ブランクの間に何をしていたか?その間も勤労意欲は衰えていず、今回の転職にも活かされるような経験を身につけたという視点が重要です。

例えば、以下のような回答をしてみましょう。

ブランクがある理由の答え方の例

「在職中は行事の担当などが忙しく、転職活動ができず、退職してから転職活動を開始しました。今までの自分の保育士としての仕事の仕方や、これからしていきたい保育の方向性について改めてじっくり考える時間を取りました。特に興味のあった食育の勉強を始め、食育インストラクターの資格を取得しました。貴園での今後の保育に活かしていきたいと考えています」

転職が多い場合で面接する際のポイント

一般に、転職回数が多いことは転職活動にはプラスに働かないものです。

転職回数が多いと感じられるのは「20代で3回、30代で5回以上」だと言われています。

転職が多いと、採用側では、「うちの園でもまた腰を落ち着けずに辞めてしまうのではないか」と考えます。

さらに保育園の場合は、地域の園同士が繋がっている場合が多いので、履歴書にある前職の園に問い合わせて、前職での様子を既にヒアリングされている場合もあります。

また、あなたに対して、勤労意欲が低かったり、人間関係を築くのがうまくないのではないかなど、あらかじめイメージを持つこともあります

そうならないためにも、以下のポイントを押さえながら、面接できちんと回答して、採用側の不安を払しょくしてください。

転職が多い方が表現すべきポイントは以下です。

  • 転職先で身につけた経験やスキル
  • それをどう活かしたいか
  • 今度こそ腰を据えて働くという決意

ここで一つ気をつけたいのは、個々の園の退職理由にはあまり深く触れないことです。

それぞれ理由があるかと思いますが、採用側には言い訳のように聞こえる場合があります。

例えば、以下のような回答をしてみましょう。

転職が多い理由の答え方の例

「転職は三回していますが、それぞれの転職先で、異なった経験、スキルを身につけることができたと思ってます。新卒で入職した園では、保育技術の初歩から、一通りの業務を覚えることが出来ました。次の園では、行事担当をして、年間行事を一年間行いましたので、保育士同士でどう連携しながら盛り上げていくかを学んだと思います。ただ、大規模な園でしたので、家庭的な小規模園で働きたいという理由があり、退職しました。次の園は小さな園で、7名の2歳児担任をしていました。一人ひとりに寄り添うような私の理想に近い保育の実践について更にステップアップをしたいと考えて、今回退職しました。大規模な園、小規模な園の両方を経験しているので、貴園ではそれぞれの良さを活かした保育をしていきたいと考えています。今まで、転職をしてきましたが、貴園では腰を据えて長く働いていきたいと考えています」

未経験の場合で面接する場合の注意点

「即戦力」が求められる保育士の世界では、未経験の方は不利な部分もあります。

ただ、長く別の園で勤務していた方にはない、フレッシュさが求められている場合も多くあります。

採用側は、生え抜きの保育士として長く勤めてくれることを望んでいますから、それに応えられるような回答を考えてください。

未経験の方の志望動機

未経験の場合、

  • 保育士としての資質(子ども好き)
  • やる気と体力
  • 素直さ

が感じられるようにしましょう。

その中でも、なぜ、保育士という仕事を選んだのか、採用側は気になります。

自身の今までの経験から、保育士に対する熱い思いを表現してください。

未経験でも、子育て経験やボランティア経験等があればそれを強調してみることも重要です。

未経験の方の志望動機の例

「私が保育士を志したのは、ボランティアで何度か託児をした際に、子どもの成長に深くかかわる保育の仕事をしてみたいと感じたからです」

不採用になりやすい人が面接当日に注意したいポイント

保育士の面接では、感覚的なものが優先されます。

言葉遣い、持ち物など、その人全体の雰囲気も実はとても重要な要素なのです。

あなたが、面接に際して、事前に答え方を練習して準備していても、当日全く別の要素で面接官に悪印象を持たれてしまう。

そんなことがないように、以下のポイントには、特に気を付けてください。

面接当日に注意したいポイントは以下です。

言葉遣い

挨拶や会話は、はきはきとした大きな声でしましょう。あなたが保護者ときちんとコミュニケーションができる人材かどうかを見られています。

当然のことですが、若者言葉や、語尾を不自然に上げるなどの言葉遣いはNGです。

身だしなみ(服装、髪型、爪、化粧)

上記でも紹介しましたが、身だしなみは第一印象に大きくかかわります。

リクルートスーツ、ナチュラルメイクが基本です。

爪は短く切り、マニキュアもNG。髪型は束ねるなどして、清潔感を何よりも重視してください。

また、あまりにも明るい髪色だと、保育士の現場にはふさわしくないので注意しましょう。

まとめ:面接は前もった準備が大切

面接は準備することで、不安を軽減することができます。

この記事を参考に、自分の中で納得できるまで、答え方を考えてみてください。

それだけ時間をかけて面接に臨めば、準備をしない人とはまったく違うはずです。

その努力は、きっと面接官に伝わると思います。

今回は特にブランクがあったり、転職が多かったり、未経験の方に向けた回答例を紹介しました。

それらを一度デメリットと捉えてしまうと、それは言葉や雰囲気からにじみ出てしまうもの。

記事を参考にポジティブにとらえ直して、最後は、明るく自分らしさを表現するようにしてください。